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池田誠の「今週の逸品」第2回 秋本帆華(あきもとほのか)直筆サイン入り喜怒哀楽 (『鯱詣(しゃちもうで)2015』)

〈  秋本帆華(あきもとほのか)直筆サイン入り喜怒哀楽 『鯱詣(しゃちもうで(あきもとほのか

先日、某イベントで久しぶりに「しゃち」を見た。

ここ数年しゃちのライブから足が遠のいていた。さらにコロナ禍もあって、彼女たちを見る機会はいっそう減っていた。

久しぶりにじっくり見て、すごいなと思った。以前の彼女たちより歌もダンスも精度を増している。自分がライブによく通っていた2014年~2016年ごろと比べると、はるかにクオリティが高くなっていた。

しゃち……「チームしゃちほこ」から「TEAM SHACHI」に改名し、丸3年経った2021年に呼び方も「チームシャチ」と変えられたが、ここでは以前のように「しゃち」と呼ばせていただく……は、2012年4月、同じスターダストプロモーションの国民的アイドルグループ、ももいろクローバーZ(以下ももクロ)の妹分としてデビューした。

おっとり系赤の秋本帆華、冷静青の咲良菜緒、おとぼけ紫の大黒柚姫、しっかり妹系黄緑の坂本遥奈、トーク回し黄の伊藤千由季、破壊力満点ピンクの安藤ゆず、6人全員が愛知県出身名古屋在住。「首都移転計画」などインパクト大の楽曲に迫力ある歌とダンスで、どんどん人気が高まっていった。

 

2014年後半、ももクロは、映画撮影でライブが減っていた。

逆にこの頃しゃちは武道館での「しゃちサマ2014」を成功させたり、ホールツアーをするなど、精力的にライブをこなしていた。最初はももクロの穴埋め程度でしゃちのライブに通い始めたぼくは、どんどんそのパフォーマンスにハマっていった。

 

もうひとつ、ぼくにとって良いことがあった。しゃちはサイン入り生写真の出現率が高かったのだ。
ライブ会場や通販で販売している生写真は、1セット5枚入りで1000円。ももクロの場合、通常50セットで1枚直筆サイン入りが出る。だがしゃちの場合は5セット買うだけで1枚サイン入りが出た。
ぼくはほくほくした。ライブは楽しいしサインは出るし、言うことなかった。

ちなみにしゃちの生写真は書店でも購入できた。東京ニュース通信社の『しゃち狩り』という500円のリーフレットに生写真1枚がついていたのだ。
おおむねリーフレット20部に1枚の割合で直筆サインが入っており、1万円出せばサイン入りが手に入った。これはライブで売る通常のナンバー入り生写真とは別系統だった。

 

そこで今週の逸品は、しゃちの赤、秋本帆華のサイン入り生写真「喜怒哀楽」。「チームしゃちほこ 鯱詣(しゃちもうで)2015」の会場で売られた特別版リーフレットについていたものだ

 

2015年1月3日、名古屋の愛知県体育館で「チームしゃちほこ 鯱詣(しゃちもうで)2015」が開催された。
ぼくは現場で普通のナンバー入り生写真を50セット、特別版リーフレット「鯱詣」を100部購入した。
ナンバー入りはいつも通り5セット1枚の割合でサイン入りが入っていた。
問題は特別版リーフレットだった。

そのリーフレットには、和服のメンバーのそれぞれ喜んだ顔、怒った顔、泣いた顔、笑った顔、喜怒哀楽の写真がそれぞれ1枚ついていた。

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メンバー6人でそれぞれ喜怒哀楽4種だから全24種になる。100部買っても全種類の揃いは1セットしか組めなかった。
サイン入りは3枚。
しかも推しの秋本帆華のサインは1枚もなし。
なんたることか。
ぼくは交換してくれる人を求めてうろうろした。

「しゃち狩り」リーフレットでサイン入りを出すのが難しくなっているのはわかっていた。だが今回の鯱詣特別版リーフレットで、サイン率はもっと低くなっていた。しかも、この前の武道館ライブの特別版リーフレットならメンバー1人につきサイン入りは2種類だったのに、今回は喜怒哀楽の4種類。

しゃちはサインが出やすくて好き、などと浮かれている場合ではなかった。
ぼくがうかうかしている内に、しゃちは絶賛上昇していっていたのだ。

結局帆華のサイン入り喜怒哀楽は、その場の交換で「喜」をゲットし、その後人脈の広いしゃち友の協力で「怒」と「楽」を手に入れた。最後の「哀」がなかなか出ず、ヤフオクで見つけてとびついた。

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だが、しゃちの直筆サイン入りには必ず裏に貼ってある認証シールがこの写真にはなかった。
よくよく見ると「あ」の字体が違っていて、本物とは違う点がぼろぼろ出てきた。
なんたること。

ぼくはみごとに偽物にひっかかり、このあと長いこと本物を求めてさまようことになる。

それから3年後の2018年、ぼくがメルカリで、やっと本物の秋本帆華サイン入り「哀」を見つけて買ったとき、しゃちの状況は大きく変わっていた。

 

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「鯱詣2015」後、その年11月に安藤ゆずが活動休止した。(翌年9月卒業)。
ゆずは聡明で、すべてを見ているようなところがあり、独特のポジションを築いていた。熱狂的ファンをもつゆずがいなくなってから、2014年のホールツアーでは手に入りにくかったチケットが当日でも買えるようになってきた。
2017年3月、メンバー念願の日本ガイシホール公演を果たすも、翌2018年には伊藤千由季が卒業。ぼくはしゃちのライブからどんどん足が遠のいた。

申し訳ないことをした。ぼくが遠のいていた間、4人は悩み、試行錯誤し、活路を見出し、ずっと精進し続けていたのだ。曲調などはずいぶん変わって黄緑の遥奈と紫の柚姫の存在感が増していた。赤の帆華をセンターに、黄色のちゆ(伊藤千由季)が高らかに歌い上げていた時代とは、隔世の感があった。

 

「鯱詣2015」秋本帆華サイン入り喜怒哀楽シリーズは、極上の逸品だ。

 

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あの「鯱詣2015」がひらかれた愛知県体育館はしゃちがずっと大切にしてきたハコで、あの時しゃちは誰の目にも勢いに乗っていた。この4枚はまさにその現場で売り出されたものであり、「この勢いはずっと続く、これからどんどん登ってゆく」と感じさせた瞬間をとどめている。

アイドルのサイン入り生写真の醍醐味はそれなのだとぼくは思う。秋本帆華のこの喜怒哀楽4枚は内側にあの特別な現場を、先の見えない絶頂を包んでいる。

 

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