仮面ライダーカード という価値を創る  / 堤哲哉インタビュー 

カードだけ取って仮面ライダースナックを捨てる子が続出し、世間が騒ぎ出した。製造元のカルビーは、新種のカードを投入するのを二、三ヶ月間手控えた。14局と25局の初版が終わって106番が始まる手前の出来事である。その間、1~105番までのカードが繰り返し出続けた。

そのとき堤さんは小学校6年生。
とっくに105までなど集め切っていた。
新種が出ない苦難の数ヶ月、堤さんはひたすら買い続け、その差異をじっと観察した。

ようやく新種投入が再開され、再び仮面ライダーカード市場が加熱した数ヶ月後、やはり小6の堤さんが500番台を求めて買った中に、あのエラーカードが入っていた。

あの時期、自分が小学校6年生だったというのは、おそらく運命的なことであったと、いま堤さんは思う。
ライダーカードにハマった子供としては年かさだった。集めるだけで精一杯の幼さは無い。
加えて個人の資質もあった。現象の奥を突き詰めずにいられない習性が備わっていた。

14局、25局、明朝、ゴシック。
体系化への道はすべて、既に小学生の堤さんの内側に在った。そしてまた、エラーカードへの関心も醸成されていた。
たくさん買う子なら、誰もがエラーカードに遭遇した可能性はあっただろう。そしてたいていは、変なカードを引いたとがっかりして捨ててしまっただろう。

だが子供時代の堤さんはずっと大切に持っていた。
昆虫学者のように、規矩から外れた不可思議さを異種と直感し、特別なものとして大事にし続けた。

これは堤さんの原点の1枚である。

 

 

 

 

 

 

 

 

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