発売後早くも重刷が決まった堤哲哉『日本懐かし特撮ヒーロー大全』(タツミムック)
ライトユーザー向けと思いきや、ライトなのは重さだけ。
中身は気合の入った特撮史事典だった。
特撮黎明期、怪獣ブーム~妖怪ブーム、第二次怪獣ブーム、変身ヒーローブーム…
年表を下りながら、ブームごとにそれぞれの時期の作品を解説。
ページには当時の空気感あふれるテレビ欄も。
画像が何しろ多い。おなじみブロマイド以外にも番宣ハガキ、キャラクターノートなどなど。
特筆すべきは巻頭の緒言。
「本書の執筆にあたっては、とにかく各作品の面白さをいかに紹介するかという点を優先させており、自分が”ここだ”と感じたエピソードについては、それが最終話であってもネタバレを気にせず書いていることを、まずお断りしておく」
年表、図版、空気感。しかも面白さを最重視。これは第一人者にしか作れなかったコンパクトな特撮史必携事典なのだ。