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2018年9月

星まこと / プロフィール

星まこと プロフィール 1964年福岡県生まれ。 マンガ・アニメ探究者。 幼少期より本やマンガ、アニメに親しむ。1977年『宇宙戦艦ヤマト』の劇場公開前後から起きた「アニメブーム」の洗礼を浴び、よりアニメに耽溺するようになる。その後、雑誌や書籍など出版物の編集を経て、会社勤めの傍ら各誌に寄稿。子どもの頃からのライフワークである、マンガやアニメの探求活動を継続中。 マンガ家やアニメ関係者との親交も広 […]

星まこと / アニメ探究 ①

「何が好き?って、アニメが好き。 作品? ありすぎて答えられないでしょう。 タツノコの劇画調も好きだし、東映のロボットものも好きだし、ギャグ調も大好きだし、スポーツアニメも好きだし、好みはわかんないですね。 東映の『白蛇伝』、ぼくはあの時代に生きてないかもしれないけど、パイニャン可愛いとか、あ、この表現すごいとか、『わんぱく王子の大蛇退治』、あの空中戦、大蛇がぐわああーっと、あれはでっかいスクリー […]

星まこと / アニメ探究 ②

「体格がいいから小学校の頃は剣道に通ってました。 でもなにせマンガ好きで、それでアニメ。 とにかくアニメが大好きだった。好きなキャラクターの絵が欲しかった。カッコいい絵が欲しかった。 でも昔はアニメの絵なんて身近になかった。アニメの絵が残るなんて思わなかったですよね。雑誌に掲載されていると絵が違ったりとか。 なんであんなに欲しかったのかなあ。すごく欲しかった。アニメの絵が。 印刷物としてアニメが無 […]

星まこと / アニメ探究 ③

「中2のときにアニメブームが来た。 1977年、『宇宙戦艦ヤマト』の映画が封切られたときです。ムックが出るわ雑誌は出るわ、小川宏のモーニングショーで声優さん特集をやったりとか、世間を巻き込む形でブームになった。アニメが子供のものから、お金を払って買うティーンエイジャーのものになった。 嬉しかったですよ。クラスのみんながアニメを見るようになった。ああ、よかった、これでおおっぴらにアニメの話ができる。 […]

星まこと / アニメ探究 ④

「もともと本は好きだった。小学生で名作全集を読み尽くして、あとは江戸川乱歩とかモーリス・ルブラン、コナン・ドイルとか。 思い出すのは、伝記ものが好きだったこと。野口英世、ファーブル、リンカーン、ワシントン、偉人の伝記が大好きだった。でもこんな人になりたいとかっていうんじゃなくて、こんな時代にこんな人生があったんだというのを知るのが楽しかった」 高校のときノンフィクションで出逢いがあった。 竹中労『 […]

星まこと / アニメ探究 ⑤

「大学入学で上京し、まんだらけに毎週のように通った。 まんだらけがまだ中野ブロードウェイの3階の一店舗だけだったときのこと。何度も通って古川さんに顔を覚えられて。 1999年、古川さんに呼び出されて、まんだらけのカタログに載せるアニメインタビューを頼まれた。ちょうど『ルパン三世』特集号で、誰がいいかなって訊かれて、みんなは宮崎さんとか大塚さんに行くでしょうけど、ぼくは新ルパンの北原健雄さんって言っ […]

星まこと / アニメ探究 ⑥

「あのインタビュー連載で特徴的なのは、けっこう背景画家のところへ行くってことだと思います。みんなアニメといったらキャラクターに行くけど、実は背景ってものすごく大事で、要するに画面を見たとき、もうその7割8割は背景なんですよ。その背景をどういう感じにするのか、ギャグ調にするのか、リアルにするのか、色調はどうするのか。 これ原画です、『ポールのミラクル大作戦』っていう作品の背景原画。『ナウシカ』とか『 […]

星まこと / アニメ探究 ⑦

「金山明博さんはね、絵がむちゃくちゃうまいんですよ。 たとえば『闘将ダイモス』やったとき、原画家が描いた絵を、『ボトムズ』の塩山さんが作監修正した。それを金山さんが総作画監督で見る。 もとの絵も十分うまいんです。それを塩山さんが直して表情が引き締まる、これを金山さんが目だけ直した。 ほんとに微妙な差なんです。でもね、それで若者の不安な目になる。目のここの差、これで一矢の感情が出るわけです。十代の若 […]

星まこと / アニメ探究 ⑧

「大工原章さんはあの当時あまり取り上げられてなかった。でもあの人がいたから今の東映動画があると思う。大きな争議などでどんどん人が抜けていったけど、大工原さんはずっと残っておられた。だからぼくはインタビューで、柱、柱、って言い続けたんです」 「これ、大工原さんの絵です。めちゃくちゃうまいですよね。古本屋で買った『探偵王』、表紙もぼろぼろになってたけど、目次をみると「黄金バット」の永松健夫とか「エイト […]

星まこと / アニメ探究 ⑨

「インタビューは断ると言う方も、けっこういらっしゃいますよ。 鳥海永行さんには手紙を書いたんです。便せんで五、六枚。鳥海さんの小説を、この作品はこうこうだ、と書いて、それで取材したいってお願いした。 実は『ガッチャマン』の最終話だけはシナリオがないと言われてるんですよ。鳥海さんが自分で絵コンテ描いて、それがアフレコ台本になったと言われてる。 リアルな世界をやらせたら一番だって思ったから、吉田さんは […]

星まこと /  アニメ探究 ⑩

「荒木伸吾さんといえば止め絵とか美形キャラとか言われてますよね。 たとえば『巨人の星』の星飛雄馬。普通の人が描いた飛雄馬の絵はこれ。これもうまいんですよ。でも荒木さんが描くとどうなるか?・・・全然違う。 前のだって十分うまいんですよ。でも荒木さんが描くとこうなっちゃう。荒木さんも自分でわかってない。どうしてなんでしょうね、こうなっちゃうんですよ、としか言わないんですよ」 「荒木さんはこういうすごい […]

星まこと / アニメ探究 ⑪

「たとえばテレビの特撮は、映画が斜陽になって、食いつめた映画マンたちがみんなで作ったって経緯がある。アニメも同じで、紙芝居が駄目になったから来たとか、赤本マンガが駄目になったからとか、劇画も斜陽になってきたからとか、絵が描けるというそれだけの思いでアニメの世界に入った人たちがいっぱいいる。批判もあるけど、アニメーターというものをひとつの職業にした手塚さんの功績は大きい。 ぼくが惹かれるのは、このア […]

星まこと / アニメ探究 ⑫

「あの当時の子供はみんな思ってましたよね。『妖怪人間ベム』や『黄金バット』の、なんともえたいのしれないあの雰囲気は何なんだろうって。 そう、たとえば『ゲゲゲの鬼太郎』は妖怪モノだけど明るい。でも『ベム』や『黄金バット』は、無国籍感がさらに凝縮されてるっていうか。灰色の空、日の当たらない洋館の雰囲気。青空なのにくすんでる感じがした。 森川信英さんは十代の頃にお父様を亡くされて、独学で学ばれてアニメー […]

星まこと / アニメ探究 ⑬

「これは、このアニメインタビューの一人目、北原健雄さんが描いた『ルパン三世』です。 北原さんはどんな絵でも描ける人なんですけど、ルパンはホントに絵が変わっていったでしょう。 最初はね、こんな絵を描いてたんですよ」 「東京ムービーの分裂問題があって、Aプロダクションが移って、北原さんしかいなくなっちゃったそうです。北原さんは、『ルパン』をやりたかったから嬉しいって言って作画監督をやったんですね。最初 […]

星まこと / アニメ探究 ⑭

「これ、石黒昇さんが描かれたソノラマ文庫『キャプテン・シャーク』シリーズの表紙ボツ原画です。実はこんな絵も描ける、本当にすごい人だったんですよ」 「石黒さんは、あのつげ義春さんたちと一緒にマンガを描いていたんです。そういうのを捨ててアニメに行った。すごいなあと思います。 それがアニメの魅力?でも茨の道ですよね。小説は自分で書ける。マンガも自分で描ける。でもアニメは共同作業、絶対いろんな人の意思が入 […]

星まこと / アニメ探究 ⑮

「音楽も好き、本も好き、ノンフィクションにもはまった、プロレスも好き、ミーハーなんですよ。星まことがミーハーでなくなったら星まことじゃない。 今ホントに、なんていうのかな、ようやくあちこちでやってきたことが無駄じゃなかったって感じになってきたのかな、どうだろう。 絵には人生が出る。にじみ出る。 アニメは集団の作品だけど、それでもその集団作業を突き抜けて出てくるものがある。それを九州の片田舎で感じ取 […]