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Mr.AE / ホットホイール

Mr.AE / プロフィール

Mr.AE 196X年生まれの”おもちゃプレイヤー” 幼少期、ミニカーとの運命的な出会いによっておもちゃに目覚め、青少年期、タ カラのSF玩具でおもちゃコレクターとして開花。以後、自らのおもちゃ道を邁進 する。一時はフィギュア暗黒面に染まるも、ドール愛の理力の導きによって、再 びおもちゃの真髄に立ち戻り、現在は博物館展示用アイテムの収集に奔走する日 々を送る。 今回のアイテムはミニカー。 ホットホ […]

Mr.AE / ホットホイール ①

トランプ大統領が誕生し、日米自動車論議がかまびすしい。 日本がアメリカに車を売りつけるばかりで買わない、それは不公平ではないか、という件だ。 もちろん日本人としては異論がある。だがそれが、アメリカのごく一般の人たちの間でずっと醸成されてきた長い憤懣だという、その当たり前の深さにひるむ思いがする。 ハリー・ベントリー・ブラッドリーは、1960年代半ばを振り返り、次のように言っている。 「デトロイトの […]

Mr.AE ( ホットホイール)②

AEさんが初めて出会ったミニカー、それはマテルでなくマッチボックスのダッジチャージャーだった。 1970年頃のことだ。 AEさんが3歳のクリスマスの朝だった。 目を覚ますと、枕元に箱が置いてあった。 てのひらサイズの箱の表面には、未知の言語がビッシリ書かれていた。 透明な窓から覗くと、中には青い小さな車が停まっている。 車とは道路を走る乗り物だ。 それはすでに子供のAEさんも知っていた。 だがそれ […]

Mr.AE / ホットホイール③

当然の流れと言うべきだろう。3歳にしておもちゃの洗礼を受けたAEさんは、ミニカーに狂った。 明けても暮れてもミニカー、ミニカー。 あの子の家に行くにはミニカーを持って行かないと怒られる、親戚たちはそう言うようになった。 スポンジが水を吸うように、子供のAEさんはミニカーの名前をどんどん記憶した。外に出たとき、あれはダットサンのセダンだ、とかすぐ車種を言って、すげえ子供だと驚かれた。 そんな或る日の […]

Mr.AE ( ホットホイール )④

「世界一はやいミニカー」 速いって何だろう? AEさんはそう思い、「あ、車って走るよなぁ」と不意に気がついた。 その頃普通にお店で買えるミニカーはトミカだった。 国産メーカーのトミカは、実車の再現性に長じ、さまざまな車種を発売していたが、特に走らせて遊ぶという感じではなかった。ガレージにしまうなど静的な遊びが主だった。 ・・・これは自分の知ってるミニカーとは違っている・・・ 恐る恐る手にとってみる […]

Mr.AE ( ホットホイール)⑤

アメリカ・マテル社は、バービー人形で既に有名なおもちゃ会社だったが、1968年ミニカー業界に疾風のごとく参入し、後にsweet sixteenと呼ばれる16車種を発売して驚異的な成功をおさめた。 いや、単に16車種ではない。形は16種、そのそれぞれに数種類の塗装色を設け、子供たちは店先で「好きな車」を「好きな色」で選んで買えるのだ。まるで大人が実車をディーラーから購入するように。 色合いも、実車と […]

Mr.AE / ホットホイール⑥

取材の日、AEさんは、持ってきたホットホイールを裏返して見せてくれた。 「この車種は結構初期のものなんですが、ここ、見えますかね。タイヤのところにピアノ線が入っているでしょう。これ最高の解像度で撮ってください。四角い穴の中のピアノ線が写ると嬉しいな」 裏返した車のシャーシに空いた穴の向こう側、白い腱のようなピアノ線が覗いている。 「1軸に1個のタイヤが付いて、四輪それぞれサスペンション機能が働く、 […]

Mr.AE / ホットホイール⑦

さて、AEさんの興味は、少年期になるとミニカーから他のおもちゃの収集に移行した。この話はいつかまた詳しくすることになるだろう。 ただともかくも、このちびっこは、絶えずおもちゃと共に在り、おもちゃを通して社会の仕組みを学習した。いい子にしてなければお小遣いがもらえない。お手伝いをすればお小遣いがもらえる。おもちゃが欲しいからいい子でいる。 まったく良い教育だったものだ。 おもちゃを買うために生きてい […]

Mr.AE / ホットホイール⑧

さらに時は経つ。 AEさんはいっぱしのおもちゃコレクターとして成長し、社会人となった。 かれの知っていたホットホイールは完全にどこからも無くなっていた。 ある日、なんとなく虚しさをを感じたAEさんは、家の押入をごそごそやって、当時いちばん遊んでいたホットホイールを発掘した。 紫のスペクトラフレームのシルエットという車種。一番初めに買ったブリスターパックのやつで、度重なるコース走行に塗膜は剥がれ、ホ […]

Mr.AE / ホットホイール⑨

AEさんがebayで最初に学んだことは、ホットホイールをアジアに売らないという人の多さだった。 (お前らにホットホイールはわからない。 どうせ転売するんだろ?) とある個人的な販売サイトに、AEさんがどうしても欲しい車種を見つけたときのことだ。 交渉で食い下がるAEさんに相手は言った。 そんなに言うなら根性を見せろ。おまえが本当にホットホイールが好きだということを証明してみせろ。 たまたまAEさん […]

Mr.AE / ホットホイール⑩

アメリカ特有のカスタム車文化ホットロッドは、主に1930年代のフォードなどクラシックカーを基体としてそれをアレンジする。車体を低く、派手なペインティングを。  ホットホイールの初期デザインを牽引したハリー・ブラッドリーは、こうした輝かしいカスタムカーの歴史に名を刻む人物だ。 かれがマテルに加わって、手探りでミニカーのデザインを始めたとき、「ブラッドリーは、それが(マテルの)かれらが求めているもので […]

Mr.AE / ホットホイール⑪

結局AEさんは、そのアメリカ滞在で8万円分くらい買った。 帰国後もその相手は、手元にあるダブりの品などをみんな売ってくれた。だいたいその1年で50万円くらいかけて、好みのホットホイールを揃えてしまった。 相手はまた、それまでドリームカーを闇雲に買うだけだったAEさんに、一般的な価値も勉強したほうがいいと勧めてくれた。 マテルの実車は一見普通に見えるけど、どこかが、何かが、変なんだ。 新しい素敵な概 […]

Mr.AE / ホットホイール⑫

当時のホットホイールの特別な色合い、スペクトラフレーム(キャンディーペイント)。 「パールがかったホットピンク、これが特に特別な色。青も少し入ってて紫っぽいでしょう。これがねえ、いいんですよ」 前述のように、キャンディーペイントはクリアカラーを吹くのだが、特にこの色は下地が透けて見えるから、とにかく下地がうまく磨けてないとダメなのだそうだ。 どんな車種でもこの色は特別だ。この色を手元に置くのは晴れ […]

Mr.AE / ホットホイール⑬

あれはAEさんが奇跡的に「バイフォーカルのブリスターパック入り」を手に入れて、うかれていた時のこと。 横浜のミニカー屋さんから、ラリーが今度来日するよ、という情報が入った。来月、横浜で車とミニカーの祭典があり、そこへラリー・ウッドが来るというのだ。 ラリーといえば、ホットホイールの誇るデザイナーだ。 お気に入りのホットホイールを眺めてうっとりする生活に満足していたAEさんだったが、これをデザインし […]

Mr.AE / ホットホイール⑭

ホットホイールのサイドライン、「シズラー」は、マテルが1970年売り出したシリーズだ。 外からの動力では物足りない、車は自分で走ってほしいという願望を実現したものらしいが、とにかくすごい勢いですっ飛んでゆくのだという。 AEさんは言う。 「ホットホイールは回転するスポンジ、つまり外部動力で加速するんですが、シズラーはニッカド電池とモーターを積んで、自力で走れっていうタイプ。これがクレイジーなスピー […]

Mr.AE / ホットホイール⑮

AEさんは最近、反省しているという。 サスペンション機能を削られた近年のホットウィールを否定してきたことに対してだ。 「自分は最近のホットウィールの足回りを好きじゃないけど、マテルが30年前から値段をほとんど変えず、子供たちにこれを提供し続けているのはすごい。それを考えると、走らなくなった、とかあんまり悪口を言えない。 今の時代、レッドラインをサスペンションまで復元したら1000円は超えてしまう。 […]