Mr.AE / ホットホイール⑦

さて、AEさんの興味は、少年期になるとミニカーから他のおもちゃの収集に移行した。この話はいつかまた詳しくすることになるだろう。
ただともかくも、このちびっこは、絶えずおもちゃと共に在り、おもちゃを通して社会の仕組みを学習した。いい子にしてなければお小遣いがもらえない。お手伝いをすればお小遣いがもらえる。おもちゃが欲しいからいい子でいる。
まったく良い教育だったものだ。
おもちゃを買うために生きていた。

そして1980年代、すっかりミニカーのことを忘れていたAEさんは、おもちゃ屋でホットホイールに再会した。ツインミルという特徴的なデザインは、間違いなくホットホイールの一車種だった。

そういえばホットホイールってあったよなあ。・・・あれ、でも箱に入ってたっけ?

なんだか変だった。
その頃店頭に並ぶホットホイールは、ミニカというブランド名の刻まれた赤い紙箱に入るようになっていた。
試しに買ってみるとタイヤも固く、弾まなくなっていた。
音も違う。

気がついて周囲を見渡すと、昔のままのホットホイールはどこにも見つからなかった。

それでは自分が知っていたあれは、一体どこへ行ってしまったのだろうか?