Mr.AE ( ホットホイール)②

AEさんが初めて出会ったミニカー、それはマテルでなくマッチボックスのダッジチャージャーだった。

1970年頃のことだ。
AEさんが3歳のクリスマスの朝だった。
目を覚ますと、枕元に箱が置いてあった。

てのひらサイズの箱の表面には、未知の言語がビッシリ書かれていた。
透明な窓から覗くと、中には青い小さな車が停まっている。

車とは道路を走る乗り物だ。
それはすでに子供のAEさんも知っていた。
だがそれがなぜ今、こんなふうに手のひらの上におさまっているのか。
こんなんじゃ人は乗れないじゃないか。

それは、そののち長いおもちゃ人生を送ることになるAEさんが、生まれて初めておもちゃという概念に触れた瞬間だった。

現実に存在する大きなモノが、小さくなって自分の手のひらに乗っている。
そうしてさわれる、いじれる、遊んだりできる。

そうか、こうやってモノを小さくしていじるって楽しみ方があるんだな。
AEさんは子供心にそのとき気が付いた。
それは漠とした、途方もない広がりの予感だったかもしれない。

何かを小さく凝縮して思い通りにする、世界中のモノを手元にもってくる、そういう手段が存在する。

それがこれだ。おもちゃだ。

3歳のAEさんは狂喜した。