堤哲哉 / 仮面ライダーカード⑥

だが堤さんは、そのとき別のことでもドキドキしていた。
14局41番を持参してくれたひとりが、アルバムに他の珍しいカードもいっぱい入れていて、そちらも買い取りたくてしょうがなかったからだ。

 

ドキドキするのはさらに理由があった。
相手がカードを入れていたのが、よりによって例の仮面ライダーアルバムの中でも、最もレアでいわくつきのビニール仕様のものだったのである。そこに入れておくと、カードがビニールにぺったり貼り付いてダメになるという悲劇を生み、しばしばカードもろとも捨てられてしまったアルバム。
横目で見ながら堤さんは手に汗握った。

 

番組終了後、堤さんは早速その相手に交渉し、カードとそのアルバムをまとめて50万で買い取った。奇跡的なことにカードは一枚も貼り付いていなかった。
「聞けば持ち主がしょっちゅう取り出して眺めてたんだって」

カードの状態を守る方法が、それを放置せず頻繁に取り出して眺めることであったというのは深い話だ。その所有者もまた、カードを日々愛していた人だったのだ。