キンキーズ・田中康隆 / カード類(カルビー他)⑬

この店の中央には、仮面ライダーアルバムを無造作に積みあげた、うずたかい山がある。ざらざらっとふれて手触りを楽しむこともできる。

仮面ライダーカードにハマったことのないわたしにもわかる。
これは魔の山だ。
カードを愛した者ならば、おそらく誰もが見た瞬間、取り乱さずにはいられない。この山を見ただけで子供返りしてしまった客もさぞ多いだろう。

「これ見ると、自分でもウッとなります」と田中さんは言う。
自分自身、このアルバムの山を見た瞬間にアドレナリンが上がるのだという。
「子供の頃なら心臓とまってます」

田中さんはどうも仮面ライダーカードは仮面ライダーアルバムに並べないとアドレナリンが上がらないのだそうだ。
「よくある9枚綴りのファイルではダメ。いつでもこのアルバムに戻ります」

古びたライダーアルバムに、丁寧に仮面ライダーカードを並べて、めくってみる。そうすると、たとえばジュースを飲むのを我慢して1枚のカードを買ったような、子供時代の暑い夏の日がよみがえってくるのだろう。