キンキーズ・田中康隆/ カード類(カルビー他)⑪

田中さんは笑顔で言う。

「こちらがあまり調べてしまうとお客さんに逆にしらけられますので。場を提供しているって感じですねえ」

キンキーズは、すべてに伴走してきた。
オーソドックスな番号違いにも、ラッキーカードにも、記号版にも、そして色違いにも、それぞれの客の挑戦に寄り添ってきた。

「採算合わないでしょう」とわたしはそっと言った。
「店を続けてられるのが奇跡みたいです」と田中さんは言った。

それでも好きだから、自分も面白いと思うから、根っから紙モノが好きだから、お客さんたちに併走し続けている。

田中さんは、自分の大事にしているお宝を見せてくれた。
山勝の5円引きブロマイド「クレージーゴン対ウルトラセブン」(筆文字)だった。
迫力ある珍しい構図で、5円引きブロマイドの最高傑作との呼び声高い1枚だ。

「売ってください」というキンキーズの広告に、売りたい客でなく買いたい客が殺到したのは、たぶん必然だったのだろう、とわたしは思う。

その広告に本物の覚悟や執着があり、その匂いが、他の者の覚悟や執着を自然と引き寄せたのだ。