キンキーズ・田中康隆/カード類(カルビー他)⑧

1971年、カルビーはカードを1枚ずつ付けた仮面ライダースナックを発売した。カードは全国の子供たちを熱狂させ、それはひとつの社会現象となった。
カードを刷っても刷っても間に合わない。大日本印刷はいろんな印刷所に仕事を回した。地方の小さな印刷所も動員された。地方の小さな小さな、ものすごくヘタくそな印刷所までもが、こぞって仮面ライダーカードを印刷した。

田中さんは言う。

「東日本は比較的大手の印刷所が請け負ったんです。だからそれほどたいした違いは見られない。でも西日本は面白い。ホントに末端の印刷所が手がけたものがまじってる。こっちの予想のつかないカードが出てくる。まだ発見がある。見たことのないモノがある」

「トレーディングカードというのは、どうも企業の手のひらで泳がされている気がするんですよ。エラーもなにもすべて計算ずくでコントロールされている感じがしてしまって」

それに比べて昔のカードには、赤という色ひとつにしても予測不能なさまざまな差異がある。
その紙モノの内蔵する情報性は、まさに「立体的」だと田中さんは言う。