キンキーズ・田中康隆 / カード類(カルビー他)⑦

聞けば、仮面ライダーカードに産地を入れるのは、客主導で始まったことなのだそうだ。

「或るお客さんが言い始めて、書くようになったんです。他のお客さんもそれに触発されて」

やっている内にだんだん田中さん自身も興味が湧いた。
そうするといろいろわかることが出てきた。
印刷所のクセとか、封入した場所とか。

たとえば倉敷と奈良の一部では全く同じ印刷が出る。文章の一部に黒い点がつくのだという。県境も微妙な場所だ。岐阜の隣に名古屋がある。当然、双方共通するカードが出る。だが富山の場合、基本は関東系だが石川や岐阜に隣接する地域ではレアな地方版が出てくる。
V3カードでも、鹿児島と北海道と関東で同じモノが出る。
そういう分布図が少しずつ出来てきた。

「カードを売りに来たお客さんに、どこで、どんなふうに買いましたか、と訊きます」と田中さんは言う。
大都市圏内は特にこまかく訊くという。
「小遣いは幾らくらいでしたかというのも訊きます」
・・・ああ、箱買いしてる可能性がありますね、とわたしは言った。
小遣いをふんだんに貰っていた場合、相当まとまった量が同じ出処ということになる。

自分の出身地で集めますという人もいるそうだ。埼玉の人が埼玉産のライダーカードばかり買ってゆくとか、静岡産で1セット組むとか・・・。 わたしの亭主は静岡出身だ。田中さんによると、静岡のカードは富士川を挟んで東西分かれるらしい。

「だから何なんだ?って話ですわ。他だと過剰在庫扱いです」
田中さんは笑った。
「でもみんな、面白がってます」