池田誠 / 冒険王 ⑬

池田さんとわたしは、別冊冒険王72年秋季号の表紙をつらつら眺めた。

 

 

目立つピンク色の地に、仮面ライダー、サンダーマスク、変身忍者嵐、快傑ライオン丸、超人バロム・1が居る。小さくゴジラやデビルマンの顔もみえる。ヒーローたちをこれでもかというほど詰め込んだ、絢爛豪華な表紙だった。

 

「いかにも冒険王らしい、ごちゃっとした感じでしょう」池田さんは嬉しそうに言った。

「ピンクだし」とわたしは付け加えた。

「ピンクだし(にこにこ)・・いてッ」

 

表紙の派手さからすると、本体は意外なほど薄い。
以前は本誌と同じくらい厚かったが、この前の夏季号から半分くらいの厚さになったのだという。オリジナル漫画をほとんど削り落とし、特撮やアニメの情報に先鋭化すると、こんなふうになるのだろうか。
それは岐路に立った雑誌が、模索しながら生きようとしている姿だった。絢爛豪華でありながら一抹の不安も感じさせる。

 

それでも池田さんを魅了したこの号のすがたは、見ているわたしをも惹きつけた。この雑誌は生き延びようとする気迫に溢れている。それが人の心を打つのだ。

 

「にもかかわらず!」と池田さんは突然声をあげた。