池田誠 / 冒険王⑫

この72年別冊秋季号は、いろいろな次元において、まさしくターニングポイントに当たっていた。

 

「たとえばこの号で、初めて表紙のタイトル「別冊冒険王」の下に「映画テレビマガジン」という副題がつくようになります」と池田さんは言う。

 

「以後この副題は継続し、翌73年6月号からは副題のほうが「別冊冒険王」というタイトルの文字より大きくなります。そうしてこれ以降、この雑誌は「別冊冒険王」ではなく「映画テレビマガジン」と呼ばれるようになり、それが74年2月号の休刊まで続きます」

 

「またこの秋季号のあと、冬季号をはさんで翌年の春季号から、季刊だったものが月刊化し、判型もB5判からワイドなAB判に改められます。そのターニングポイントの痕跡が、こんなところにも見えます。ちょっとここを見てください」

 

池田さんは、72年秋季号の表紙見返しをひらいてみせた。

 

「大けん賞募集」

クイズとアンケートに答えると変身サイボーグが当たるというものだ。
ページの下部に「問題と応募のきまり」がある。

 

「問題と応募のきまり」

問題

仮面ライダー、超人バロム・1、サンダーマスクのうち二段変身するのはどれでしょう。

①仮面ライダー ②超人バロム・1 ③サンダーマスク

アンケート

別冊冒険王の映画テレビマガジンを1年に何冊出したらいいと思いますか。

①4冊 ②6冊 ③12冊

応募のしかた

こたえは必ず官製ハガキに番号で書いてください。そしておもしろかったまんがを1つとアンケートも忘れずに書いてください。

ホントだ!わたしはぎょっとした。この編集部はこんなところでさりげなく、なんというシリアスな調査をしているのだ。

 

「翌年の春から年4冊が12冊になるのは、やっぱりこのアンケートが関係してるのかなあ」とわたしは訊いた。

 

「よくわかりませんが、生き残るための「冒険王」編集部の模索が見てとれますねえ」

池田さんはしみじみと言った。