池田誠 / 冒険王④

「別冊冒険王秋季号についてですが、そもそも秋季号そのものが、あまり市場に出てこないのです」と池田さんは言った。

 

「年2回の増刊号は、なんだかんだ言って市場に出まわります。夏休み号は8月中旬の発売だから、ちびっこはお盆で田舎に帰って、おじいちゃんおばあちゃんに買ってもらう。お正月号は、発売は12月中旬だけど1月まで売っていて、これはたいていお年玉で買うことができました。
この別冊冒険王も、夏季号や冬季号は夏休みとお正月の発売だし、春季号なら3月発売で、進級~春休みという臨時収入シーズンにあたります。
ところが秋季号は10月発売です。ちびっこが何のイベントも当てにできない暗黒の時期じゃないですか。いちばん金欠なときの発売だから、そもそもあまり買われていないんじゃないかな。出てくる数も限られてる気がします」

 

秋季号が希少なのはよくわかった。

 

もうひとつわかったことがある。
こづかいを軸に回転する池田少年のせちがらい一年である。
どうやら遠足や運動会というものがほぼ意味をなさず、臨時収入が最大のイベントという子供時代を送っていたらしい。
こんな子がおとなになって、自分の金を持ったらどうなるか。