池田誠 / 冒険王③

別冊「冒険王」72年秋季号。

これが運命の一期一会。覚悟を決めてまんだらけオークションに臨んだ池田さんの執念は、おそらくその後の「冒険王」市場に飛び火した。

 

池田さんは語る。

 

「そのときまで「冒険王」にそんな派手な高値がつくことはなかったんだよ。でもそれがきっかけになったのか、そのあと同じまんだらけのオークションで、V3特集の「冒険王」73年夏休み増刊号がいきなり46万円まで跳ね上がった」
「はああああ、まあわかります」
「その値段で落札というのは、要するに40 万以上入札した人間がふたりは居たということです」
「もしや片方はご本人じゃありませんか?」
「ううん、ボク入れてないよ。ボクもその号がそんなに高くなるなんてびっくりして、売るぞてめえと思いながら見てたもん」
「既にお持ちだったと」
「そりゃ持ってましたよ」
池田さんは胸を張った。
「ほほう。しかしこの72年秋季号、何冊も見るのでそんなにたいしたものだとは思っていませんでした」
「ぼくがいっぱい持ってるものは、基本的に世間には出回っていないものなのです」
池田さんはさらに胸を張り、ふと気が付いたように「すみません」と言った。
「?」
「すみませんごめんなさい」

 

ここで詫びてくるとは池田さん、イメージ戦略もはなはだしいが、そんなものは100年遅いと心得よ。以下、粛々と進む。

73年「冒険王」夏休み増刊号