高橋さって / 聖闘士聖衣大系 ⑨

「フィギュア帝国2」のクロスの写真を見ながら、わたしは尋ねた。

・・・さってさんは、この中でどれかひとつ選ぶとしたら何にしますか?
「ああ、それならこれですねえ」
ためらいなくさってさんが指さしたのは、海皇ポセイドン編の海闘士鱗衣(マリーナスケイル)のひとつ、「シードラゴンスケイル、双子座のサガの弟、カノン」だった。

・・・へえ、それはまたどうして?
「まずこれ、オブジェが縦バージョンと横バージョンの2通りに変化するんです~」

言われて初めて気が付いた。
なるほど縦のバージョンは普通のタツノオトシゴスタイルだが、横にするとまるで龍が波を蹴立てて泳いでいるようだ。これはめちゃくちゃカッコいい。
・・・ホントだ!ホントだ面白い!!
わたしは興奮した。

 

「普通はみんな、こっちのクラーケンのほうを珍しがるんですよ」
さってさんは、下の「クラーケンスケイル 北氷洋伝説の男、アイザック」を示した。確かに【強レア品として名高いクラーケン・・・】と説明がついている。
「クラーケンには製造の最終番号がついているからなんですが、それを言うならカノンの出荷はクラーケンと同時なんですよ。クロスはだいたい2個ずつ出荷されて、カノンもクラーケンもロット自体は同じなんですねえ」
・・・へええ、じゃあ最終番号ってホント番号だけなんですね。
「ですです。カノンは、オブジェはこんなふうに変化するし、ストーリー的にも重要キャラで、敵の将軍だけど最後まで生き残ってあとで味方になるっていう・・・」

 

 

ジェミニのサガの弟カノン。多くの物語の中で、双子という存在はしばしば光と影の交錯するドラマを生んできた。その上、邪悪な存在でありながら味方になるという葛藤の深さ。
さってさんの言葉どおり、やはり最終ロットの主役はクラーケンではないだろう。この双子こそは、大系の製造側が最後の思いを託して出した大きな寵愛キャラではなかったろうか。