Mr.H/蒐集家⑬

「ほしいなほしいな、いろんな人に言って。でも金がないときにモノが出てきたらどうする?キャッシングで借りてきてまで買うか?ストッパーは年がら年中外れてるけど。じゃ、それは本当にほしいのか?」

 

 Hさんは自分に問いかけるように言う。

 

「今は旅行はホントの旅行よ。温泉入ってさ、料理食べてさ。ビビッとくることもあまりない」

「怪獣も妖怪も高いな。高くなったな。ずっとこんなことをやってられるのか。破滅じゃん。でもお前はやめられないんだよ。何か買うんだよ」

 

 誰かのコレクションを見ると欲しくなった。人がやってるのを見ると欲しくなった。

「おかしくなっちゃう。自分でもわからない」

 欲しいという思いは燎原の火のように広がり、自分自身を焼き尽くした。

               

 伸び放題に伸びた興味関心の枝を、いまは何百本も切りながらやっているというHさんに、ではどのジャンルが残るのかと訊いた。

「食玩とノートは飽きないね」とHさんは言う。20年以上やっているけど、いまだに見たことないものがバンバン出てくる。

 原画だのの紙モノは、数年前まんだらけを呼んですべて処分した。だが一部屋を空にしたのもつかの間、ふたたび部屋は満杯状態。Hさんはそう語り、若干の絶望をにじませる。

 

(画像はまんだらけ・変や)