星まこと / アニメ探究 ⑧

「大工原章さんはあの当時あまり取り上げられてなかった。でもあの人がいたから今の東映動画があると思う。大きな争議などでどんどん人が抜けていったけど、大工原さんはずっと残っておられた。だからぼくはインタビューで、柱、柱、って言い続けたんです」

「これ、大工原さんの絵です。めちゃくちゃうまいですよね。古本屋で買った『探偵王』、表紙もぼろぼろになってたけど、目次をみると「黄金バット」の永松健夫とか「エイトマン」の桑田次郎も描いてる。大工原さん、ほれぼれするような絵を描いてますよ」

うしおそうじさんのお話でいちばん面白かったのは、やっぱり東京ムービーがなぜ出来たかっていうこと。あのインタビューが出るまでは誰も訊いていなかった。東京ムービーってのは、うしお先生が『ビッグX』の原作権をピープロでやるからといって手塚さんの許可貰って取ったのに、現場が反発してできなくなっちゃった。それで困ったTBSが慌てて作ったのが東京ムービー。で、なにしろスタッフがいなかったから、社長の藤岡さんがあちこちスカウトしまくって。虫プロのアニメーターとかもみんなバイトで描いてたみたいですね。『あしたのジョー』の監督で有名な出崎統さんは、そのとき藤岡さんと仲良くなって、縁ができたらしいんですけどね。