星まこと / アニメ探究 ⑦

「金山明博さんはね、絵がむちゃくちゃうまいんですよ。
たとえば『闘将ダイモス』やったとき、原画家が描いた絵を、『ボトムズ』の塩山さんが作監修正した。それを金山さんが総作画監督で見る。
もとの絵も十分うまいんです。それを塩山さんが直して表情が引き締まる、これを金山さんが目だけ直した。
ほんとに微妙な差なんです。でもね、それで若者の不安な目になる。目のここの差、これで一矢の感情が出るわけです。十代の若者の微妙な揺らいでる感じが全部出る。

金山さんのすごさはここなんです。微妙な感情表現。ちょっとした髪の毛とか目尻とか、それだけで変わっちゃう。それを金山さん、平気でやっている。毎日何百枚も修正しなきゃならないから時間がない。ちょっとここの線だけ直す。するとどうなるか。一矢が決意の顔になる。表情が全然違う。これが作画監督の力です」

「これは金山さんが描いた『ダイモス』のヒロイン、可憐なエリカなんですけど、目を閉じている、ああ、気を失ってるんだなってわかる。お嬢様なんだなってすごくわかる。
『ダイモス』ってのは聖悠紀さんがデザインした、すごいおしゃれなキャラクターなんだけど、そこに金山さんが、なんていうか、なま身の体を与えた。キャラクターに乗り移ったような、色気というか生きてる絵というか。それが金山さんの絵なんです」