星まこと / アニメ探究 ②

「体格がいいから小学校の頃は剣道に通ってました。
でもなにせマンガ好きで、それでアニメ。
とにかくアニメが大好きだった。好きなキャラクターの絵が欲しかった。カッコいい絵が欲しかった。
でも昔はアニメの絵なんて身近になかった。アニメの絵が残るなんて思わなかったですよね。雑誌に掲載されていると絵が違ったりとか。
なんであんなに欲しかったのかなあ。すごく欲しかった。アニメの絵が。

印刷物としてアニメが無かったから、テレビの画面を写真に撮って。
当時唯一あったのはミニカード。あの頃のちびっこにとって、正直いって特撮以外は1ランクも2ランクも下だったんですよ。写真じゃなく絵に描いたものなんて。だからアニメの絵を集める人なんかいなかった。ミニカードの会社もそう思ってたと思うんです。
でもぼくはアニメの絵が欲しかった。
ミニカードは、『ゲッターロボ』とか『ガッチャマン』とか、フィルムの絵をそのまま焼いてくれたから貴重でした。ああ、画面の絵だぁ、ってすごく嬉しかったのを覚えてる。あの頃アニメの絵を手に入れるのはミニカードしかなかった。

アニメの描き手の違いに気づいたのはいつかって?小学校五、六年の頃です。例えば『タイガーマスク』、あれ毎回絵が違いましたよね。東映は毎回作画監督変わってたんで絵が違った。
なんで違うんだろうって最初はわからなかったんですよ。でも毎回テロップ見ている内に、あ、この人の時は好きだなあ、荒木伸吾のときは好きだ、小松原一男のときは好きだ、とか。それでテロップ見てノートをつけるようになりました。この人の絵が好きってときはメモとって。リストをつくって再放送のときは絶対にこれ見ようとか、予定を組んでました。

九州の片田舎で、まわりはマンガなんか卒業です。自分ひとり、アニメを卒業できない。
でも逆に、だから純粋教育で、テレビを通じて通信教育を受けていたようなものかもしれないです」