たかはしちこ(アップルBOXクリエート)/ マンガ復刻・同人誌 ⑦

実際、儲けというのは出るのだろうか。

高橋さんは、復刻で儲けているとずいぶん言われてきた。復刻で家を建てたと言われたこともある。
長年付き合っている印刷所に依頼して、オフセット印刷で100部つくる。サイズはA5版、表紙はフルカラー、本文は二色の上質紙で無線綴じ。「なつ漫王」「漫画市」はほぼ200-250ページ。

「予約してくれるファンたちに頒布し、2割を委託し、どんなに売れても大概1割は残る」と高橋さんは言う。
「でも7割売れればそんなに大きな痛手にはなりません」

わたしは印刷所の費用を確認し、これで毎回、本当に経費はまかなえているのだろうかと思ってしまった。
儲けが出る出ないの話ではない。これは痛手が大きい少ないの違いではないか、とわたしは言った。

「でもわたしは商売でやってるわけじゃないですから。他に商売があるわけですから」と高橋さんはまじめに抗弁する。
高橋さんは古書店を経営し、店頭だけでなく目録でもヴィンテージ漫画を売っている。昨今はインターネットの普及などで古本屋の経営は厳冬だが、今はともかく、比較的余裕のある時代が長かったと高橋さんは言う。

まずは漫画家としての自分の創作活動があった。
「ちょっとエッチっぽいもので、名前もずばり、「ザ・エロス」」
そう言って高橋さんは笑った。
「それと猫耳少女の「ミーコメタモルフォセス」、そういうのが500から1000部、出すたびに何十万かにはなりました。他に、古本屋をやる前はフリーでテレビコマーシャルの絵付けの仕事をやっていて、これが月に50万~100万」

それらがすべて復刻の資金源となった。
「復刻で食べてゆくようなことはしないです」と高橋さんは言う。

「誰もこちらが出血しながら続けているとは思わない。でもこれは商売じゃない。趣味なんです。趣味は楽しむためのもの、だから損して当たり前なんですよ」