池田誠 / ももクロ生写真(佐々木彩夏)⑮

杏果の脱退発表後、池田さんはくよくよしていた。
まず脱退でショックを受け、杏果最後のライブの抽選に外れてショックを受け、ライブビューイングのチケットは確保してわずかに心を慰めた。

2018年1月21日、5人最後のライブの模様を、池田さんとわたしは隣のライブビューイング会場で見た。

ライブ終了後、池田さんは言った。
「いいんです。4人で。ももクロのクローバーは四つ葉なんだし」
バレンタインイベントも二日間当たっている。10周年の東京ドームも行く。あの子たちならやってくれる。
池田さんは涙をぬぐい、今日だけはと着ていた緑のユニホームを脱いだ。黒いトレーナー姿になったが、実はその下にピンクのTシャツを着ているのだ。

最後に、この池田さんの生写真買いの近くにいるわたし自身について、少し記しておかなくてはならないだろう。

わたしは2011年3月11日の震災後、どうしたものか精神的にテレビを見ることができなくなった。鬱々とした日を過ごし、久しぶりにテレビを見たのが2012年大晦日の紅白歌合戦で、そのとき初めてわたしはももクロを知った。そして、こういう子たちがいるのならまだ未来はあるのだと思った。 
みんなを笑顔にする、その使命感や覚悟でももクロというグループは抜きん出ている。その決意をアイドルとしてなま身で背負いつづけることの重さを思う。
5人の体制は不変だと思っていたけれどそれは間違いだった。そもそも一回一回のステージが常に一度限りのものだった。さまざまな変転はあるだろう。だが、照らされた記憶ははっきり残っている。その記憶をこの先も重ねてゆけるのを幸運だと思う。
わたしは、この時代にかれらとめぐり会えて幸運だった。出会ったら見間違えるはずもない。本物は、まぎれもなくそれだとわかる。まるで灰の中のダイヤモンドのように。