池田誠 /ももクロ生写真(佐々木彩夏)⑦

さて、ももクロは、2012年あたりからライブ会場が急激に大きくなり、動員数が増えて、サイン率は低下した。2012年後半、マネージャーが「生写真25セットに直筆サイン1枚の割合」とTwitterで呟いたらしい。
池田さんの感覚だと、2013年夏は20~30セットに直筆サインが1枚の割合。冬以降は50セットに1枚くらいで今に至るという。

「通常は10セット買った場合、5分の1の確率でサインが1枚入ってるんですが、実は計算上、10セットを5回買っても3~4人にひとりは1枚もサインが出ないのです。5の5乗分の4の5乗なので3125分の1024が外れの可能性。なお、10セットを10回買っても、9人に1人は1枚も出ません。これは5の10乗分の4の10乗だから」
算数小僧の池田さんは計算する。 

ここで今までの戦績を訊くと、ラッキーだったのは3セット買っただけでサインが1枚入っていた経験が1回、10セットで1枚というのが3回あり、逆に50セット買って0枚が2回、100セットで0枚のときもあったという。
「100セットォ!?」
わたしは思わずこぶしをかためて、池田さんを殴った。
「甘んじて受けます。どうぞ」
おとなしく頭を下げるので、これ幸いともう一発殴る。
 

池田さんは小さい声でもそもそ言った。
「売る人から束をまとめて渡してもらえるなら、だいたい平均値でサインが出るのです。それがちょっとずつバラバラに持ってこられると、1枚も入ってない確率が上がるのです。通販で買えばほぼ確率どおりなんだけど、やっぱりその場の物販で買いたいし」
「どうして?」
「そりゃ高揚感が違いますから!」池田さんは目を輝かせた。
「直筆サインですよ?本人が書いたんですよ?それを手にして、そのあとすぐライブですよ?めちゃくちゃ盛り上がるってもんでしょう」
池田さんはついうっかり、早くも元気づいてしまう。