今入重一 / 横山光輝作品 ⑤

今入さんは「週刊少年サンデー」1965年1月1日号、「伊賀の影丸」第6部「地獄谷金山の巻」から読み始めた。
折しも「別冊少年サンデー」で、第1部からの影丸の総集編が特集された。130円で高くて買えず貸本屋で借りて今入さんは読んだ。
そして文字どおり、取り憑かれた。

「影丸がゴーッと入ってくる。見たことない影丸がわたしの中にゴーッと入ってきた」

それと同時に目の前をいろんな影丸が動き始めた。夢の中にも現われた。

「他の人も言うんですけど、絵が動いている。動くんですよ、さっさっさっ、て。アニメのように」

塀を越える、屋根にのぼる、木から木へ敏捷に飛び移る、背後に無数の木の葉が舞う。
今入さんは夢うつつのように影丸と一緒に生きた。

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