延藤直紀(CCP代表)/ フィギュア制作 ⑭

インタビューのあと、応接室に並ぶ作品を写真に撮らせてもらった。シャッターを切りながら、棚にぎっしり並ぶモノたちの存在の強さに押された。

 

 



ワンダーフェスティバルがスタートして30年近くが経つ。ガレージキットの世界に光を当てたこの巨大なイベントが日本の文化にもたらした影響はあまりにも大きい。かつて、企業に作られたプラモデルやガンプラは既に高い水準で人々を魅了していたが、フィギュアを、個人の繊細かつ高次な感覚という底知れぬ領域にしんじつ踏み込むことを可能にさせたのは、このワンダーフェスティバルだった。

おもちゃは、原型師という天才たちを先導に、レトロな実体験の世界から身を引き剥がし、存在のリアルと洗練への道を急速に駆け上がってきた。
懐かしさという概念はもはやレトロやファンタジーだけのものではない。それは、実体を備えるはずのなかった子供時代の夢想が、目を疑う圧倒的なリアルで出現する、その総毛立つような感覚のことではないか。

CCPの格闘と挑戦は、子供じみているといわれた夢想が日本のカルチャーの最前線となってきた歴史の記録だが、その道を延藤さんは造型師や客たちとともに一歩一歩進んできたのだった。

客たちは文脈を見、同時に、その文脈を超えた何ものかの出現を見る。それはそのジャンルとキャラクターへの深い理解に支えられており、3Dプリンタの抜き型的な表現では及びもつかないものだろう。