延藤直紀(CCP代表)/ フィギュア制作⑪

もうひとつ、漫画「キン肉マン」をフィギュア化することについて、延藤さんは言った。

「キン肉マンは何十年も続いている。その中で、ぼくらが今の絵を単純に三次元に置き換えるだけでは評価されない。あえて昔の絵を今の筋肉で立体化してみたりする、そのギャップがウケるんです」

二次元を単に三次元にするのでないというあの言葉は、二重の意味をもっていた。

先に言った、絵の仕掛けを立体の論理へ変えること。
加えて、時間を隔てたものを組み合わせ、現実にはあり得ない味わいを提供する。ただの変換でなく、さらに記憶を上回る新しさを。

その味を理解し賞翫する人たちがCCPの常連客なのだ、とわたしは遅まきながら気がついて衝撃を受けた。
延藤さんの言う「客の頭の中を読む」とは、この洗練の中で戦うことだったのか。