延藤直紀(CCP代表)/ フィギュア制作⑥

客の頭の中にある風景は何か。

「ウルトラマンってね」と延藤さんは言う。
「印刷物の中のものをそのまま持ってきたのじゃ、ダメなんです。真っ黒けで汚いんですよ」

映像、写真集、いろんなものを見ながら、みんなの望んでいるウルトラマンをさぐる。

「何が欲しいのか、みんなの中に答えがある。いざ出されると、わーこれ欲しかったとなるけれど、イメージの中ではどうだかわからない」

「当時こうだったというものは、リアルじゃない。ホントのリアルを出しても客は買わない。正しい正しくないじゃない。カッコわるけりゃ買わないんだ」

客の声を聞きすぎると言われたこともある。客の要望に応えて何度も塗り直し、スタッフに負担をかけたこともある。こまやかなサービスと言えば言えるが、過度な無理は会社の体力を削ぎかねない。
だがそれもまた、客の内側の風景に近づこうとする模索のひとつだったかもしれない。