佐々木大(仮名)/プロ野球サイン⑦

外野席が激変し、応援の人たちも移り変わる中、毎年毎年、佐々木さんのサイン獲りは深まっていった。

「金券屋には行かない。オークションにも頼らない。ぼくの求めるモノはそこには無い」と佐々木さんは言う。
 ただこつこつせっせと現場に足を運び、並んで待つ。

まめでないとダメ、と佐々木さん。
「俺が俺が」でなく、コミュニケーションを大切にする。労を惜しまず、手を抜かない。その上で、それに見合うものをきっちり獲ってくる。
佐々木さんは、わたしたちが外野自由席で学んだ場所の論理というものを最初から本能的に知っていた。
自分自身で動き、その場に居続けること。腰を低くし、人と協力すること。
楽をしてはならない。
依存すれば、支配される。自分の持ち分を人に握られる。

 
そしてこれは、我が家が初めて佐々木さんと口をきいた日に、かれの鞄の中に入っていたモノ。

2008年、巨人軍全選手のサインカード。